神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
交通事故の被害者側のサポートを中心に、
遺言作成や相続、契約書チェックなどを
担当しています。
最近、異業種交流会の
メンバーと話していると、
国際情勢の影響を、
身近に感じます。
原油価格の上昇に伴い、
ガソリン代の値上がりはもちろん、
さまざまな材料や部品にも、
値上げの波が広がっています。
特に、建築業では、
その影響が大きいようです。
値上がり前の価格で契約して、
まだ工事に着手していない案件。
いざ工事を始めるために
部品を仕入れようとすると、
見積もり時点から価格が
1.5倍くらいになっている、
その値段で仕入れると
赤字が確定してしまう。
そういった状況も、
現実に起きています。
本来は、当事者間で協議をして、
材料費の上昇分を調整する、
というのが望ましい形です。
ただし、契約内容の変更は合意が前提です。
一方が応じなければ、
一方的に変更することはできません。
場合によっては、契約どおりの
履行が難しいとして、
債務不履行として、
損害賠償の問題に移行する、
という選択が
検討されることもあります。
もっとも、安易に履行をやめると、
かえって大きな責任を負う可能性もあり、
金銭以外の信頼という面からも、
慎重に考える必要があります。
こうした事態に備える方法として、
「スライド条項」を
契約に入れておく、
という考え方があります。
一定の事情で、
資材価格が上昇した場合に、
代金の増額を請求できる、
そういった仕組みです。
飛行機に乗るときの、
燃料サーチャージのような制度、
というとイメージしやすいですね。
もっとも、条項を入れるだけで
十分ではありません。
契約時点での見積もりや、資材価格、
その後の変動の状況などを、
きちんと記録しておく必要があります。
契約書で備えること。
そして、日々の丁寧な運用。
この両方がそろってこそ、
はじめてリスクに
対応できるようになります。
今、問題が起きてから
考えるのではなく、
少し先を見据えて備えておく。
そんな積み重ねが、
トラブルの予防、
事業の安定につながります。

