神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
トラブルの発生を予防し、
安心して事業、生活が出来るよう
サポートしています。
会社で働く側にとって、
働きがい、職場環境、人間関係。
どれも大切です。
ただ、やはり気になるのは、
給料の金額ではないでしょうか。
同じ時間働くなら、
少しでも多くもらえた方がうれしい。
私が勤務先を選ぶとしたら、
給料は気になる要素の一つです。
最近は、賃金水準も上がってきました。
ボーナスをなくして、
その分を月給へ振り分ける。
毎月の給与額が高く見えるように
設計する会社もあると聞きます。
そんな中、求人広告などで、
少し気になる表記を見かけます。
「月給30万円
(固定残業代20時間分を含む)」
という書き方です。
固定残業代とは、実際の残業が
20時間でも、10時間でも、
仮に、ゼロ時間でも、
一定額の残業代を支払う制度です。
働く側からすると、
毎月の収入が読みやすい。
早く仕事が終わればそのぶん得をする、
会社側からすると、
管理が楽そうに見えます。
しかし、実はこの制度、
意外と難しいのです。
まず、通常の賃金部分と、残業代部分が、
はっきり区別できることが必要です。
基本給がいくらで、
固定残業代がいくらなのか。
雇用契約書や就業規則、給与明細などで、
明確に示されている必要があります。
先ほどの、
「月給30万円
(固定残業代20時間分を含む)」
との記載では、その内訳が分かりません。
これでは、不十分と判断される
可能性が高いです。
「調整手当」「営業手当」
などの名目で支給していても、
それが何時間分の残業代なのか、
金額が対応しているのか、
分からなければ問題になります。
さらに、固定部分を超えた残業は
別途支払うという制度と運用になっていること
これも必要となります。
固定残業代として、
「20時間分、4万円」としていても、
21時間の残業があれば、
1時間分、別途支払わないといけません。
つまり、固定残業代を採用しても、
労働時間の管理は結局、必要です。
では、固定残業代と認められないと
どうなるのか…
会社としては、残業代のつもりで
払っていた部分も、
基本給として扱われることになります。
そのうえで、改めて残業代を計算し直す。
そうなると、
未払い残業代が大きく膨らみます。
残業代計算の手間を省きたい、
あるいは、採用上、
給料額の見栄えをよくしたい。
理由はいろいろあるでしょう。
ただ、固定残業代は、
簡単そうに見えて、
実はリスクの大きい制度です。
普通の労働時間を管理し、
働いた分だけ適切に支払う。
その方が、分かりやすく、
結果的にトラブルも少ない。
そういう話も、よく聞きます。
やるなら、こういうリスクを軽減して、
トラブルにならない形で
導入したいですね。

