「大丈夫」の言葉に甘えていないか

神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしている古谷(ふるたに)です。

 

 

トラブルの発生を予防して、
安心して、事業・生活が送れるよう
サポートしています。

 

 

先日、バス会社に関する
気になるニュースを目にしました。

 

 

バスの運転手に、

体調不良の様子があったそうです。

会社も、そのことに気づいていましたが、
本人は「大丈夫」と答えました。

 

 

そこで会社は、
そのまま運転業務を

担当させたそうです。

 

 

ところが、運転中に
運転手が意識を失い、
接触事故が起きました。

 

 

バス運転士の体調不良を把握したが「大丈夫」本人申告で運転させ、意識を失って接触事故…バス使用停止処分(読売新聞)

 

 

 

このニュースには、

会社でやってしまいがちな

大きなミスがあります。

 

 

会社には、
「安全配慮義務」という
義務があります。

 

 

少し難しい言葉ですが、
簡単にいえば、
社員を危険な状態で働かせない。

 

 

社員が安全に、
そして健康に働けるよう、
必要な配慮をする義務です。

 

 

例えば、明らかに、
顔色が悪く、ふらついている
社員がいたとします。

 

 

その社員が、「大丈夫です!」
と言ったとしても、

会社がその言葉だけを根拠に、
危険な仕事を任せてよい、
ということにはなりません。

 

 

社員には、
同僚に迷惑をかけたくない、
仕事を休みにくい、

自分が抜けると現場が回らなくなる、
という気持ちがあります。

 

 

上司の前では、無理をして、

大丈夫と言う人もいるでしょう。

 

 

だからこそ会社は、
本人の言葉だけではなく、
客観的に判断する必要があります。

 

 

運転や機械操作など、
一つの判断ミスが
大きな事故につながる仕事なら、

業務を中止させる。

 

 

別の担当者に交代させる。
医師の診察を受けてもらう。

そうした判断をするのが、
会社に求められる役割です。

 

 

 

仮に事故が起きれば、
お客様や第三者への
損害賠償が問題になります。

 

 

社員自身が負傷すれば、
労災や安全配慮義務違反を
問われる可能性もあります。

 

 

さらに法律上の責任だけでなく、
「あの会社は社員に
無理をさせているらしい」

 

 

そんな評判が広がれば、
会社の信用や採用にも
影響するかもしれません。

 

 

事故を防ぐためには、
体調確認の方法を決め、
記録を残すことも大切です。

 

 

どのような症状なら、
仕事を中止させるのか。
誰が最終判断をするのか。

 

 

交代する人がいない場合に、
どう対応するのかまで、
先に決めておく必要があります。

 

 

その場の空気や、
本人の遠慮に任せるのではなく、
会社の仕組みとして止める。

 

 

これも、会社と社員を守る
大切な予防法務の
一つだと思います。

 

 

「本人が大丈夫と言った」
という言葉は、
会社の免罪符にはなりません。

 

 

むしろ、その大丈夫に、
甘えていなかったかが
問われることになります。

 

 

もちろん私自身も、
忙しいときほど、つい
「大丈夫です」と言ってしまいます。

 

 

だからこそ、
大丈夫という言葉の裏側を
見ることが必要なのでしょう。

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