神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
トラブルの発生を予防して、
安心して、事業・生活が送れるよう
サポートしています。
子どもと一緒に、
昆虫や生き物系の
YouTubeをよく見ています。
内容としては、
とても面白いものがたくさんあります。
生き物の特徴。捕まえ方。
飼育の注意点。自然の中での観察の仕方。
大人が見ても、いいコンテンツだと思います。
ただ、親として少し気になることもあります。
それは、口調や口癖です。
内容がどれだけ良くても、
言葉が荒かったり、
人を少しばかにするような
言い方があったりすると、
ちょっと見せ続けるのはどうかな、
と思ってしまいます。
子どもは、本当に
影響を受けやすいです。
いつの間にか、動画の口調をまねしている。
言い回しをそのまま使っている。
そんなことがあります。
では、自分はどうか。
そう振り返ってみると、
私にも口癖がありました。
「何かあったら、ご相談くださいね」
相談や名刺交換の最後に、
ついそう言ってしまいます。
もちろん、悪い意味で
言っているわけではありません。
困ったときに、
一人で抱え込まず、
相談してほしい。
そういう思いで言っています。
ただ、よく考えると、
トラブル予防をしましょう、
と言っているのに、
「何かあったら」
というのは、遅いのかもしれません。
本当は、何かある前に相談してもらう。
大きな問題になる前の、
小さな違和感を聞かせてもらう。
そこが、予防法務の出発点です。
ヒヤリハット、
という言葉があります。
事故にはならなかったけれど、
ヒヤッとした。
トラブルにはなっていないけれど、
少し気になっている。
そういう段階で話を聞くことが、
とても大切です。
福祉事業をされている顧問先で、
社員さんたちに気になることを
聞いてもらいました。
すると、とても切実な声が
出てきました。
利用者さんに、どこまで
サポートしてよいのか悩む、
というものです。
福祉の現場では、
困っている人が目の前にいます。
助けたい。少しでも楽になってほしい。
できることはしてあげたい。
そう自然に思うスタッフさんが多いです
その思いがあるからこそ、
福祉の仕事は成り立っているのだと難じます。
ただ、その一方で、
線引きが難しい場面もあります。
本来の契約やサービス範囲を超えて、
個人的に対応してしまう。
お金の管理に深く関わってしまう。
家族との連絡を一人の職員だけが抱えてしまう。
利用者さんからの無理なお願いを断れずに
受け続けてしまう。
最初は、善意かもしれません。
でも、後から、
そんなことまで頼んでいない。
お金の扱いがおかしい。
なぜその職員だけが判断したのか。
他の利用者と扱いが違う。
そう言われると、
大きなトラブルになります。
福祉の現場では、やさしさと、
ルールの両方が必要です。
冷たく突き放す、
ということではありません。
むしろ、安心して支援を
続けるために、
線引きを決めておくのです。
どこまでが事業所としての
サポートなのか。
どこからは家族や行政、
他の専門職につなぐべきなのか。
お金や財産に関わる相談は、
誰が、どのように記録するのか。
職員一人にその判断を
押しつけてはいけません。
こうしたことを、事前に確認しておく。
そして、現場の職員さんが、
これは少し危ないかもしれない、
と感じたときに、
相談できる場所を作っておく。
それが、トラブル予防に
つながります。
社員さんの困りごと。
現場の違和感。
何となくモヤモヤする対応。
そこに、会社を守るヒントが
隠れています。
私もこれからは、
「何かあったら」ではなく、
「何かある前に、気になることを
教えてくださいね」
と言えるようにしたいと思います。
子どもがYouTubeの口調をまねるように、
大人も自分の口癖に引っ張られます。
言葉を変えると、意識も少し
変わるのかもしれません。
トラブルになる前の小さな違和感を、
見逃さない。
そんな姿勢を、これからも
大切にしたいと思います。

