神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
交通事故の被害者側のサポートを中心に、
遺言作成や相続、契約書チェックなどを
担当しています。
はま寿司で、遅刻したスタッフの
労働時間の扱いについて、
違法と指摘された、
というニュースを見ました。

例えば、1分遅刻した場合でも、
15分単位で管理して、
15分の遅刻として扱う。
そうすると、本来働いた14分分の賃金が、
支払われないことになります。

経営側としては、遅刻を防ぎたい、
あるいは、管理を簡単にしたい、
そういう意図があったのかもしれません。
遅刻した時間について、
その分の給与を支払わない、
これは問題ありません。
「ノーワークノーペイの原則」です。
しかし、逆に、
実際に働いた時間の賃金を、支払わないのは、
原則として認められません。
遅刻に対して制裁を科したいのであれば、
懲戒処分として、減給を
行うことも考えられます。
ただし、その場合も、
就業規則に定めを置き、
適切な手続きを踏む必要があります。
仮にそのような手続きをしても、
遅刻一回でその分減額するとしたら、
処分として重過ぎる、
と言われるリスクが高いです。
また、減給にも上限があり、
1回の額や、総額について、
法律上の制限が設けられています。
それだけ、減給するのは簡単ではありません。
一方で、時間管理の便宜のために、
端数の労働時間を切り捨てる、
という運用も、見かけます。
例えば、1日ごとに
労働時間の〇分の端数を切り捨てる、
というような方法です。
しかし、これも問題となります。
労働基準法上、認められているのは、
1か月単位で、
30分未満を切り捨て、
30分以上を切り上げる、
といった処理です。
日ごとに、しかも
切り捨てのみ、というのは、
認められていません。
こうした処理を続けていると、
未払いの賃金や残業代が、
少しずつ積み重なっていきます。
一日あたりはわずかでも、
月単位、年単位で見れば、
大きな金額になります。
さらに、対象となる従業員が増えれば、
会社にとっての負担も大きくなります。
現在、賃金請求の時効は原則3年。
将来的には、5年へと延長される予定です。
日々の小さな運用が、
後から大きなリスクにつながる。
だからこそ、今のルールや運用が、
法律に合っているか、
一度見直してみることが大切です。
社員さんが安心して働ける環境づくりが、
結果として、会社や経営者を
守ることにもつながると感じています。

