ナイフを持ち歩く「正当な理由」とは

神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。

 

 

トラブルの発生を予防し、

安心して、事業・生活が送れるよう

サポートしています。

 

 

私は家族でキャンプをするのが、

ここ最近の楽しみです。

 

 

子どもたちは、キャンプの中では、
焚き火がお気に入りなのだとか。

 

 

自分の子供時代も、確かに焚き火は特別感があり、

ワクワクすると同時に、

いろんなものを火の中に入れて怒られた記憶があります。

 

 

焚き火は、着火が意外と難しいのです。

着火剤をたくさん使うのも…

 

そこで、フェザースティックという、
薪の棒の先を薄く削り、

空気を含み燃えやすくする、

それに挑戦しようと、話をしています。

 

 

そのため、必要なアウトドア用の
ナイフを買おうかと考えています。

 

 

ただ、ナイフとなると、
気になるのが銃刀法です。

 

 

刃体の長さが6センチを超える刃物については、

業務その他正当な理由がある場合を除き、
携帯が禁止されています。 

 

 

キャンプで使う。調理で使う。薪を削る。

そういう目的で、キャンプ場へ持っていく。

これは、正当な理由になり得るでしょう。

 

 

一方で、キャンプが終わった後も、

車の中に入れっぱなし。

普段の街中でもカバンに入れっぱなし。

そうなると、「正当な理由」は
かなり怪しくなってきます。

 

 

この「正当な理由」という言葉。

法律では意外とよく出てきます。

そして、この言葉が出た時は、要注意です。

 

 

自分では理由がある、と思っていても、

法律上、本当に正当といえるかは、
別問題だからです。

 

 

会社でよく問題になるのが、解雇の場面です。

労働契約法では、解雇には客観的に合理的な理由と、
社会通念上の相当性が必要とされています。 

 

 

「勤務態度が悪い」
「社長と合わない」
「期待したほど働かない」

 

 

それだけでは、足りないことがほとんどなのです。

注意した記録。改善の機会。本人の反応。業務への影響。

そうしたものを積み重ねて、
初めて理由として形になります。

 

 

また、労働条件を不利益に変更する場合も同じです。

就業規則を変更して労働条件を下げるには、

変更の必要性や、内容の相当性、
労働者との交渉状況などを
踏まえた合理性が問題になります。 

 

 

「会社が厳しいから」だけでは、簡単には通りません。

 

 

さらに、下請取引でも、発注後に代金を減らしたり、
返品したり、やり直しを求めたりする場面では、

相手方に責任があるのか、費用負担はどうするのか、
慎重に見る必要があります。

 

 

名目や合意の有無だけで許されるわけではない、
という点も大事です。 

 

 

よくある落とし穴は、

「うちには理由がある」

で止まってしまうことです。

 

 

理由があることと、それを後から説明できることは、違います。

 

 

ナイフも、キャンプ道具として持っていくなら、

キャンプ用品と一緒に保管する。

使い終わったら、家に戻す。

必要な場面以外で持ち歩かない。

そういう扱い方が大事です。

 

 

会社でも、同じです。

解雇するなら、その前の指導記録。

条件変更なら、必要性の説明。

取引先への請求なら、契約書やメール。

 

 

正当な理由は、頭の中にあるだけでは足りません。

外から見ても分かる形にしておくことが大事です。

法律の「正当な理由」は、
魔法の言葉ではありません。

 

 

何が正当の要素なのか、

なぜそう言えるのか。

その根拠を日頃から残しておく。

 

 

キャンプ用ナイフを買う前に、
そんなことまで考えてしまうのは、
職業病かもしれません。

 

 

でも、楽しく安全に
焚き火をするためにも、

仕事で無用なトラブルを防ぐためにも、

理由と記録を大事にしたいと思います。

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