善意の行動が裏目に出ないために。

神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。

 

 

トラブルの発生を予防して、

安心して、事業・生活が送れるよう

サポートしています。

 

 

児童養護施設に入所している
子どもの口座から、

元職員が無断でお金を
引き出した疑いで逮捕された、
というニュースを見ました。

 

 

報道によると、
本人から出金を依頼されたと偽って、

現金を引き出した疑いがあるようです。

 

 

施設の複数の子どもの口座からも、
お金が引き出されていた可能性があるとのこと。

とても胸の痛むニュースです。

 

 

児童養護施設で暮らす子どもにとって、

預金は、将来の生活を支える大切なお金です。

 

 

施設を出た後の生活費。

進学や就職の準備。

家を借りるための初期費用。

 

 

一つ一つが、その子の将来に直結します。

その大切なお金を、職員が預かる。

とても責任の重い仕事です。

 

 

多くの職員さんは、
子どものために真面目に
働いておられます。

 

 

現場は忙しく、人手も足りない。

それでも、子どもたちの生活を
支えている。

そういう方々がほとんどでしょう。

 

 

ただ、人のお金を預かる場面では、

善意だけに頼ってはいけません。

 

 

最初は、悪気がなかった。

少し立て替えただけ。

あとで戻すつもりだった。

 

 

そういう小さな曖昧さから、

大きな問題につながります。

 

 

この件は、残念ながら

悪意でお金を引き出したようですが、

 

 

難しいのは、
本当に子ども本人から
頼まれた場合です。

 

 

お金を出したい。

必要な物を買いたい。

学校や生活のために使いたい。

 

 

そういう希望が出ることは当然あります。

そのときに、職員がどう対応するか。

 

 

ここを、人によって
ばらばらにしてはいけません。

 

 

誰が聞いたのか。

本人は何を希望したのか。

金額はいくらか。

何に使うのか。

誰が確認したのか。

出金後、何に使ったのか。

 

 

子どもが大人になって、

この出金なに?と聞かれたときに

答えられる仕組みが必要です。

 

 

そして、一人の職員だけで判断しないこと。

複数人で確認する。

本人の意思を書面や記録で残す。

通帳や印鑑、キャッシュカードの管理者を分ける。

出金後の領収書や使途を確認する。

 

 

定期的に第三者や管理者がチェックする。

こうした仕組みが必要です。

 

 

これは、職員を疑うためだけの
ものではありません。

真面目に働く職員さんを
守るためでもあります。

 

 

子どもから頼まれたから対応した。

でも、記録が残っていない。

後から、本当に頼まれたのか、
何に使ったのか、
説明できない。

 

 

そうなると、職員さん自身も
苦しい立場に置かれます。

 

 

福祉の現場では、
支援する相手との距離が近くなります。

困っている子を助けたい。

少しでも安心させたい。

今すぐ対応してあげたい。

 

 

ただ、大切な仕事だからこそ、
仕組みが必要です。

 

 

やさしさと、記録。

信頼と、確認。

支援と、線引き。

この両方がそろって、
初めて安心して支援を続けられます。

 

 

私は、後見人を担当している経験上、

出金時に残しておきたい書類、

してほしい事前の打ち合わせなど、

イメージがあります。

 

 

そういうものを、

真面目な福祉に関わる方に

お伝えできればと思っています。

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