神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
交通事故の被害者側のサポートを中心に、
遺言作成や相続、契約書チェックなどを
担当しています。
毎年恒例の話題になりつつありますが、
新入社員が早期に退職する、
というニュースを今年も目にしました。
経営者の先輩から、
こんな話を聞いたことがあります。
車を買うときは、カタログを見比べて、
あーでもない、こーでもないと、真剣に選ぶ。
それなら、生涯で数億円の賃金を払う
社員の採用は、もっと真剣に考えるべきだ、
という話です。
もっとも、今は採用難の時代。
売り手市場で、どれだけ準備しても、
思うようにいかない、そんな悩みも多いです。
ようやく採用できた社員が、あっさり辞めてしまう。
そのときの落胆や、何か言いたい、
一矢報いたい、という気持ち。よく分かります。
ただ、ここは法律は無情です。
私もお伝えするのが辛い時もありますが、
よくあるだけに、知っておいてもらいたいです。
社員の退職を巡る相談の一つが、
「就業規則で、退職は1か月前に申し出ること、
と定めているので、すぐ辞めるのは無効ではないか」
というもの。
しかし、民法では、期間の定めのない
雇用契約は、いつでも解約の申し入れができ、
2週間が経過すれば契約関係が終了する
とされています。
そのため、就業規則にどう書いていても、
労働者は退職の申し入れができ、
2週間で契約は終了します。
これを止めることは、できません。
もう一つは、採用にかかった費用や、
備品の準備費用を、請求できないか、
というご相談。
これも、原則として難しいです。
採用や教育にかかる費用は、
企業活動上の一般に生じるコストと考えられ、
退職した社員に負担させることは、
認められていません。
気持ちとしては、納得しにくいところですが、
ここで引き止めたり責任を追及するよりも、
次の採用や、定着のための工夫に、
目を向ける方が、前向きです。
まさに「去る者は追わず」
ということになります。

