神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
トラブルの発生を予防して、
安心して、事業・生活を送れるよう
サポートしています。
弁当200個の注文を受けたのに、
取りに来なかった、という話が
SNSで話題になっています。
5時間かけた計200個の千円弁当 最後は着信拒否「ひどい!」「犯罪では?」“当日無断キャンセル”嘆きのSNSに怒りや支援の声 続々と 新潟市
私も昼食に、町のお弁当屋さんを
利用することもありますが、
原材料も値上がりしている中、
ぎりぎりの価格で提供してくれている、
そんなことを感じています。
法律にてらして見ると、
電話などで注文を受け、
お店側がそれを承諾すれば、
弁当の売買契約は成立すると
考えられます。
そして、お店側が
注文どおりに弁当を準備したなら、
原則として、代金を請求できます。
ただ、問題はここからです。
この法的な代金を請求できる権利を、
実現しようとするとどうなるか。
代金を請求するには、
まず相手を特定しないといけません。
電話番号と名前だけで、
住所まで分かるとは限りません。
仮に住所が分かったとしても、
相手が、
「そんな注文はしていません」
「誰かが私の名前を使っただけです」
と言ってきた場合、
今度は、その人が
本当に注文したことを
証明する必要が出てきます。
録音はあるのか。
メールやLINEでの
やりとりはあるのか。
注文内容を確認した記録は
残っているのか。
そうした資料がなければ、
請求は一気に難しくなります。

しかも、今回のように、
弁当200個。
1個1000円、
請求額は20万円です。
20万円は、お店にとって大きな損害です。
粗利や人件費を考えると、
これが丸損というのは恐ろしいことです。
ただ、裁判で回収しようと思うと、
相手の特定、証拠の整理など
簡単ではありません。
日本の法律では、
代金回収のための弁護士費用は
自己負担となります。
裁判で勝ったとしても、
弁護士費用の全部を
相手に請求できるわけではありません。
実際に弁護士へ依頼して
裁判をする場合、
事務所にもよりますが、
30万円以上かかることが
多いと思います。
そう考えると、
20万円を回収するために、
それ以上の費用がかかる…
これが、事後対応の怖さです。
法律上は請求できそう。
でも、実際に回収するにはとても大変。
だからこそ、大切なのは事前対応です。
大口注文は、前金をもらう。
少なくとも、半額を
事前に入金してもらう。
入金確認後に仕込みを始める。
注文内容をメールやLINEで確認する。
初回の大口注文は、本人確認をしっかりする。
こうした対応をしておけば、
後から追いかける負担は大きく減ります。
事前の一手間は、少し面倒です。
でも、事後の回収は、
その何倍も大変です。
その少しの面倒を乗り越え、
事前準備の仕組みをつくれば、
次回からは面倒も減ります。
安心して仕事を続けるうえでも
事前準備の仕組みづくりを
していきましょう。

