パワハラが怖くて注意できない?

神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。

 

 

トラブルの発生を予防して、

安心して事業・生活が送れるよう

サポートしています。

 

 

経営者の方からよく受ける相談の一つに、

問題のある社員さんへの対応があります。

 

 

何度も同じミスをする。

でもメモを一切取らない。

それが原因で損失が出ている。

 

注意しても、人のせいにして

全く反省しない。

上司もノイローゼ気味。

 

業務時間中に、
自分の車に戻って
スマホを見ながら休憩している。

 

 

そんな話を聞くと、
一緒に働きたくはないな…

と思うような事例です。

 

 

上司や社長の血圧が上がるのも、
分からなくはありません。

 

 

その場で、きつい言葉が出てしまう。

「何回言えば分かるんだ!!」

そう怒鳴りたくなる場面もあるでしょう。

 

 

会社には、社員に対して
業務上必要な指導できます。

 

 

ミスを放置すれば、お客様に迷惑がかかります。

周りの社員にも不公平感が広がります。

会社の信用にも関わります。

 

 

問題は、何を言うか、
どう言うかです。

 

 

裁判でも、
上司の注意指導がパワハラに当たるかが
争われた事例はいくつもあります。

 

 

たとえば、
不正経理をした営業所長に対する

上司の叱責が問題になりました。

 

 

不正経理を正す必要があった
これは、当然です。

会社として、注意、指導しなければ
ならない場面です。

 

 

ただ、その後、本人が自殺し、

叱責や注意と死亡との関係が
裁判で問題になりました。

 

 

裁判では、上司が注意した内容だけでなく、

設定されたノルマなども問題となり、

最終的にはパワハラではない、

という判断になりました。

 

 

ただ、第一審では、ノルマが高すぎるとされ、

それを前提に、上司の言動が自殺の原因となった、

そう判断されています。

 

 

ここから分かるのは、
社員に問題があるから、
何を言ってもよい、
というわけではない
ということです。

 

 

もう一つ、裁判例から。
ある従業員が、
同僚が横領しているなど

誹謗中傷する発言をしていました

 

 

これに対して、

会社側が注意すること自体は、
合理的なものです。

 

 

ただ、面談の中で、

従業員側の態度が悪かったため、

大声を出して叱ったこと、

 

 

また、人間性を否定するような
強い表現があったため、

注意の限度を超えているとして、

 

 

低額ではありますが、

損害賠償が認めれています。

 

 

仕事の事実を指摘することは、
必要な指導です。

 

 

たとえば、

「納品書の数量が間違っていました」

「休憩時間外に車に戻っていました」

「同じ確認漏れが今月3回あります」

これは、業務に関する
具体的な指摘です。

 

 

一方で、

「お前は社会人として終わっている」

「何をやらせてもだめだ」

「性格に問題がある」

「だから家族にも迷惑をかけるんだ」

 

 

こうなると、業務から離れて、
人格を攻撃する言葉になります。

この違いは、とても大きいです。

 

 

業務の指導は、

行動を変えるために行います。

 

 

人格攻撃は、
相手を傷つけるだけで、
改善にはつながりません。

 

 

また、過去の失敗まで
何度も持ち出す。

関係のない家庭や性格の話に広げる。

 

 

こうなると、業務上必要な範囲を
超えていると判断される

リスクが高まります。

 

 

最近は、スマホで簡単に録音できます。

経営者も、録音されていると思って

話すくらいでちょうどよいと思います。

 

 

こいつ録音してるな、と思えば、

自然と冷静になり、言葉選びも変わります。

 

 

後から聞かれても、

これは業務上必要な指導だった。

人格を否定する言葉は使っていない。

改善してほしい行動を具体的に伝えている。

 

 

注意するときは、まず事実。

次に、なぜ困るのか。

そして、次からどうしてほしいのか。

この順番が大切です。

 

 

社長としては、
つい強く言いたくなることも
あります。

 

 

事業について、強い思いがあれば、

なおさらです。

 

 

でも、それで、言いたいことが、

伝わるかは、別問題です。

 

 

社員に問題があるほど、
感情ではなく、
事実と手順で対応する。

 

 

それが、パワハラを避けながら、
会社を守る注意指導になります。

 

 

 

お問い合わせ

事務所名 澤上・古谷総合法律事務所
〈 兵庫県弁護士会 登録番号 39773 〉
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