神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
トラブルの発生を予防して、
安心して、事業・生活が送れるよう
サポートしています。
広島の音戸で、廃船や廃材が燃える
火事があったというニュースを見ました。
音戸といえば、
平清盛ゆかりの地として有名です。
日宋貿易のため海を切り開いた。
その工事中、日が沈みそうになると、
清盛が扇を掲げると、
沈みかけた太陽が再び昇り、
工事時間が伸びた。
そんな伝説も残っています。
歴史の授業では、
「平家の権勢を示すエピソード」
として習いました。
ただ、現代の感覚で見ると、
「まだ働かせるの!?」という、
まさにブラック企業的な話にも見えます。
経営者の先輩方と話していても、
昔は、繁忙期になると、
終電までみんなで働いた。
そんな話を聞くことがあります。
もちろん、その時代を
否定するつもりはありません。
実際、そういう大変な時期を乗り越えて、
今の会社を築いてきたのでしょう。
ただ、今は時代が変わりました。
労働者の権利意識も高く、
残業については、しっかり対応しないと、
大きなトラブルの原因になります。
まず、残業をさせるには、
いわゆる「36協定」を締結し、
労働基準監督署へ
届け出る必要があります。
さらに、残業時間には上限があります。
原則として、月45時間、年360時間。
特別に必要な場合でもあっても、
単月100時間未満、
複数月平均80時間以内、
などの制限があります。
長時間労働は、
単に法律違反だけでなく、
メンタル不調や、過労死など、
労災リスクにもつながります。
最近では、勤務終了から次の勤務まで、
一定時間を空ける
「勤務間インターバル制度」も、
広がりつつあります。
まだ全面義務化ではありませんが、
今後さらに重視される方向です。
そういう中で、時々聞くのが、
「うちは残業禁止です」
「残業は許可制です」
という話。
確かに、ルールとして
そう決めること自体は、可能です。
ただ、実際には仕事量が多く、
会社も、社員が残って
仕事していることを知っている。
それなのに、
「許可してないから
残業代は出しません」というのは、
基本的には通りにくいです。
裁判でも、会社が
残業を認識していた、
あるいは黙認していた、
そう判断されれば、
残業代の支払い義務が
認められることが多いです。
つまり、大事なのは、
ルールを書くだけではなく、
実際の運用です。
仕事量は適切か。
本当に定時で終わるのか。
管理職が把握しているか。
そこまで含めて、
整えていく必要が
あります。
「昔はこれくらい普通だった」
という感覚も、
分からなくはありません。
ただ、時代が変われば、
求められる対応も変わります。
平清盛の時代では美談でも、
今ではブラック…
残業については、注意が必要ですね。

