神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
トラブルの発生を予防して、
安心して、事業・生活が送れるよう
サポートしています。
全日空の新しい料金プランが、
不評のようです。
チケットを買ったのに、席がない!
そんな声が、SNSで上がっていました。
燃料費や人件費、
システム費用などが
上がっている中で、
航空会社としては、
料金体系を見直す必要が
あるのでしょう。
安く乗りたい人には、
必要最小限のサービスにする。
そうでない人には、
別の運賃を選んでもらう。
会社側の理屈としては、
分からなくはありません。
ただ、利用者の感覚としては、
「安いと思って買ったのに、
そんな制限があったのか」
となります。
安い。
無料。
お得。
こういう言葉には、
どうしても引きつけられます。
私自身も、もちろんそうです。
ただ、安くなっている裏には、
何か理由があります。
会社経営でよくご相談があるのが、
求人サイトの無料掲載です。
30日間は無料で掲載できます。
とりあえず試してみませんか。
そう言われると、
無料ならいいか、
と思ってしまいます。
ところが、一定期間内に
キャンセルしなければ、
その後は月額いくら、
という内容の契約です。
キャンセルを忘れていたところ、
後から思ってもみない請求書が届く。
こういうご相談を、
これまで何度も
受けてきました。
法律的には、
申込みをして、相手が承諾し、
契約内容として有料化の条件が
示されている以上
有料化も含めて
契約が成立している、
と判断される可能性は
高いものです。
ただ、そこで話は
終わりません。
請求額によっては、
相手が本気で裁判までして
回収してくるのか、
という現実的な見通しもあります。
法律上、支払義務があるかどうか。
実際に、どう対応するのが
会社にとって一番よいのか。
この二つは、
必ずしも同じではありません。
だからこそ、契約する前の
一呼吸が大切です。
無料なのは、なぜなのか。
安い代わりに、何を失うのか。
いつから料金が発生するのか。
解約方法はどうなっているのか。
自動更新はあるのか。
キャンセル期限はいつなのか。
ここを確認するだけで、
かなりのトラブルは防げます。
特に、中小企業では、
社長が忙しい中で、
電話営業やメール営業に
対応することも多いです。
その場で、無料です、
今だけです、と言われると、
軽い気持ちで進めてしまうこともあります。
でも、会社名で契約すれば、
それは会社の約束になります。
あとから、よく分かっていなかった、
無料だと思っていた、というだけでは、
契約の成立を争うことはむずかしいです。
一消費者の場合は、
消費者契約法などで保護される場合もありますが、
企業の場合は、
契約内容を確認して申し込んだ、承諾した、
と判断されることがほとんどです。
お得さだけを見て、
不利益の部分を見落とすと、
あとで高くつくことがあります。
大切なのは、安いかどうかだけではなく、
自分に本当に必要なのか。
その条件で納得して使えるのか。
目の前のお得さに少し立ち止まる。
無料の理由に思いを馳せる。
契約内容を一度確認する。
それだけで、
防げるトラブルは
たくさんあります。
私自身も、つい無料や割引に
心が動きます。
だからこそ、仕事でも生活でも、
安いものほど、一度落ち着いて
確認する。
そんな習慣を
持ちたいですね。

