神戸の元町、ポートタワーの見える事務所で
弁護士をしています、古谷(ふるたに)です。
トラブルの発生を予防して
安心して、事業・生活が送れるよう
サポートしています。
クレジットカードの
早期決済代行を手掛けていた
全東信という会社が、
破産手続きに入った、
というニュースがありました。
負債額は、報道によると
1000億円を大きく超える規模です。
かなり大きな倒産です。
この会社は、飲食店や美容サロンなどの
お店に関わりの深いサービスを
提供していました。
通常、お店でお客さんが
クレジットカードを使っても、
その売上がお店に入金されるまでには、
一定の時間がかかります。
1か月近くかかることもあります。
資金繰りがタイトなお店にとって、
このタイムラグはとても重いものです。
売上はあがった。
でも、現金はまだ入らない。
一方で、
家賃は払う。
仕入れ代金も払う。
人件費も払う。
そうすると、帳簿上は売上が
立っていても手元資金が足りず、
苦しくなります。
そこで、早期決済代行の
サービスが意味を持ちます。
カード会社からの入金を待たずに、
一定の手数料を差し引いたうえで、
先にお店へお金を入れる。
いわば、超高速の
立て替え屋さんです。
今回の倒産で怖いのは、
未収の売上金がどうなるか、
という点だけではありません。
もっと怖いのは、
入金サイクルが
突然変わることです。
これまで、
例えば、週2回の入金を前提にしていた。
それに合わせて、仕入れや給与、
家賃の支払いを組んでいた。
ところが、今回の件で、
別の決済会社に切り替えたら、
入金が月1回、
あるいは月2回に戻る。
そうなると売上はあるのに、
現金がないという状態が
起こります。
黒字倒産の典型的な危険です。
お店が悪いことを
したわけではありません。
お客様も来ている。
売上もある。
商品やサービスも提供している。
それでも、外部のインフラが
止まることで、
一気に資金繰りが
苦しくなることがあります。
会社経営では、自社の努力だけでは
どうにもならないリスクがあります。
配送会社が急に止まる。
主要な仕入先が倒産する。
クラウド会計や予約システムが
使えなくなる。
今回のように、決済サービスが停止する。
取引先からの入金が遅れる。
どれも、自分の会社が
きちんと経営していても
起こり得ることです。
だからこそ、外部インフラに
どれだけ依存しているかを、
一度確認する必要があります。
もし明日、外部インフラが止まったら、
自社の事業は、何日持つでしょうか。
ここを考えることは、
法律相談というより、
経営そのもののかもしれません。
トラブルが起きた後に、
契約書を確認する。
支払いを求める。
損害賠償を考える。
ただ、実際には、
相手が倒産していれば、
回収の見込みは厳しい。
そう覚悟する必要があります。
契約上、請求できるとしても、
相手にお金がなければ、
満額戻ってきません。
だから、事後対応だけに
頼るのは危険です。
今回の件でも、最大の防御は、
手元資金を厚くしておくことです。
数か月分の運転資金を持っておく。
入金サイトが長くなっても、
一定期間は耐えられるようにする。
これは、とても地味です。
利益が出たら、新しい投資に
回したくなります。
借入れを減らしたくなります。
手元に現金を置いておくのは、
もったいないようにも見えます。
でも、会社にとって現金は血と同じです。
血液がなくなれば、どれだけ売上があっても、
会社は動けません。
残念ながら力尽きてしまった会社さんの
破産の手続きをしたこともあります。
また、同友会などの勉強会で、
経営についても、学ばせてもらっています。
弁護士ですが、法律のことだけ
ではないことにも気づける、話せる
そうありたいと思っています。

